BONSAI-LABO(盆栽ラボ)凜 係の者の日記

盆栽師の妻のブログ。店主が不在の際には係の者としてご案内させて頂きます。ブログに登場する盆栽は、ほぼほぼ店主が手がけたものです。

奥が深い水石

はい、今日もはりきって大観展で学んだ知識をひけらかしていきますよ。

 

盆栽に負けず劣らず変態なのが、この水石という分野。

水石には石を山の形や、海上の岩などに見立て眺めるという楽しみ方があります。

また、産地(川や山)にもそれぞれ特徴があり、その地の趣がよく出ている石が素晴らしいとされています。

 

 

代表的な産地は瀬田川、加茂川、鞍馬、神居古潭などなど。

また形にも遠山石、溜まり石、島形・岩潟などなどの種類があります。

 

 

 こちらは神居古潭の遠山石。

その名の通り、遠い山々を思わせる景色がありますね。

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山って金剛山しか思いつかんわ〜(大阪南部の人間)、ってこんな高くないし。

みなさんはこの石からどんな山を想像されましたか?

 

 

 

 

瀬田川の溜まり石

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このくぼみに水を入れてフフッて楽しみます。

 

 

 

 

 

矢掛石の滝石

谷の間から白い滝が流れている風景を思わせる水石を滝石と呼んでいます。

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滝の落ち始めるところと、滝壺(この石にはないですね。。)の両方を兼ね揃えている滝石がベリーグッドと言われています。 

 

 

これは鞍馬石。

赤みがかったのが特徴です。なんか穴空いてて洞窟っぽいね。 

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このような穴やくぼみに観音様住んでそう!ってイマジンしてホクホクします。

 

 

 

 

しかもこの石を置く台座もひとつひとつ手作りですからね〜

形どるだけでなく、石のおしりにフィットするように3Dで彫刻してますから。

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石見つける人もすごいけど、台座作る人もすごいわ。

 

 

水石は「形」「質」「色」「肌合い」「時代」の五大要素から、その石を評価しますが。。

もう「時代」とか説明できる気がしないよね。

石について書くともう1ブログできてしまいそうなので、興味のある人はこちらのHPで(笑)

水石ギャラリー | 水石の基礎知識 | Matsuura Arishige

 

 大観展で有識者に色々教えてもらいましたが。。石奥ふかすぎーー

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【レポ】大観展 席飾りについて【第2回】

さて、前回に引き続き大観展のレポです。 

bonsai-labo-rin.hatenablog.com

 

 

 

 

今回は席飾り、特別展示にスポットを当ててご紹介。

 

 

慶雲庵の特別展示

盆栽作家の鈴木伸二氏と同氏の友人でもある片岡鶴太郎氏による『盆栽と書』

自然信仰に文化の成り立ちの根元をもつ日本は、まさに樹々たちが「天恵」とする「業」

これを風神・雷神の成すものとして、両氏に表現頂いた作品です。

 

実際に樹をご覧になった印象から、片岡鶴太郎氏が筆を取られた

まさに『瞬間の芸術』を感じることができる展示でした。

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これが来年では樹の様子も少し変わってるし、

そうするとまた書のインスパイアも違ってくるだろうし…

と、生き物を扱うからこそ今この作品に出会えました。感動〜

 

 

 

 

 

第42回作風展で内閣総理大臣賞を受賞した 勝樹園 井浦貴史氏の真柏

作風展とは組合員(=プロ)により手がけられた盆栽の展示会。

その中で最高峰の内閣総理大臣賞を受賞されたということは、宇宙一の盆栽という事です。

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盆栽には『侘び寂び』が良しとされる他に、『格』という世界もあります。

本作品は圧倒的格と迫力!!

 

 

 

 

係の者が好きなパターン。

この樹と翁(人物)と掛け軸の3点飾り。

なんかじいさんの哀愁漂っていいよね。

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翁目線で見るとまた風景が出てね。でっかいかぼちゃ持ってるから、今日もよく獲れたわ〜と一休みしながら家路についてるのかな。

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こちらは店主のお気に入りの一席。掛け軸が特に素晴らしくて。

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狩野英信という江戸時代中期の画家のもので

牛の角やおしりの濃淡が、普通の風景なんだろうけど気になる存在に。

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抽象画と盆栽という、現代アート的な展示もありました。

結構マッチしてて単純にいい雰囲気やったな〜。

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まだまだ良い席はいっぱいありましたが、

係の者からは以上です!!

 

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